1.膀胱炎
女性に多い病気で、トイレに行く回数が頻繁となり、尿が出終わる時に激しい痛みや、尿が残った感じがします。尿も濁ってきて、時には肉眼的な血尿になります。
抗生物質の投与ですぐ良くなりますが、きちんと治さないと再発しやすいので、必ず早めに受診してください。治療に抵抗したり、再発をくり返すときは糖尿病や膀胱尿管逆流症、神経因性膀胱、膀胱腫瘍などの病気が隠れていることがあります。
女性に多い病気で、トイレに行く回数が頻繁となり、尿が出終わる時に激しい痛みや、尿が残った感じがします。尿も濁ってきて、時には肉眼的な血尿になります。
抗生物質の投与ですぐ良くなりますが、きちんと治さないと再発しやすいので、必ず早めに受診してください。治療に抵抗したり、再発をくり返すときは糖尿病や膀胱尿管逆流症、神経因性膀胱、膀胱腫瘍などの病気が隠れていることがあります。
症状は痛くも痒くもない血尿が特徴です。腫瘍が膀胱の出口に近いところにできたときは、残尿感などの膀胱炎に似た症状が出ることもあります。健康診断や尿の一般検査で尿潜血反応が陽性の場合、50歳以上であれば常にこの病気を考える必要があります。確定診断には膀胱鏡検査を行います。最近では軟性膀胱鏡という柔らかいファイバースコープを尿の出口から挿入して検査を行います。麻酔は潤滑剤のみで、以前の硬性膀胱鏡に比べて、格段に痛みが軽減されて硬膜外麻酔も不要になりました。
しかし炎症か腫瘍か紛らわしい場合や特殊な癌もあり、そんな時は硬性膀胱鏡を使って生検(組織の一部を採取)を行い、病理検査を行います。当院では軟性鏡を中心に時には硬性鏡も駆使して迅速な診断にあたります。
背中から下腹部に、ころげ回るような激しい痛みがありますが、大部分の結石は自然に体の外に排出されます。結石の大きさや場所以外に、尿の流れが妨げられることによって起こる腎臓の腫れ(水腎症といいます)があれば、積極的な治療が必要になります。
最近では体外衝撃波による砕石治療の普及で、開腹手術はほとんど無くなっています。しかし硬くて割れにくい結石もありますので、内視鏡を結石まで挿入して、レーザーや超音波で砕石することもあります。
60歳以上の方に多い病気で尿の出るのに時間がかかり、尿が出にくくなる病気です。初期の症状として夜中に何回もトイレに起きるようになります。排尿状態の検査、前立腺の触診、血液検査などで前立腺癌と鑑別し、治療をおこないます。
肥大の程度が軽い場合は薬物治療でかなりよくなりますが、ある程度肥大が進んでいる時は手術をする必要があります。手術は肥大が余程大きくなっていなければ(大体80~100グラム以下)、開腹せずに内視鏡を使って、電気メスやレーザーで切除します。
欧米人に多く、日本人などのアジア系の人種には少ない病気とされていましたが、最近では天皇陛下も手術されたように、日本で急激に増えています。早期には自覚症状が全くなく、知らないうちにどんどん進行します。癌が進行すると、血尿、排尿障害、神経痛様の痛みなどがでてきます。
診断には血の中のPSAという腫瘍マーカーが有用です。以前は症状が出たときには既に癌が、前立腺被膜を越えて、リンパ腺や骨に転移していることが多かったのですが、PSAのおかげで早期癌が見つかるようになっています。ほかに前立腺の触診で硬いシコリがないか調べたり、超音波検査を行います。これらに異常があればMRIや、針で組織を取る生検を行って確定診断をします。50歳を過ぎれば、前立腺癌検診を受けることをお勧めします。
会陰部(肛門と陰嚢の間)に不快感があったり、排尿後に尿が残った感じや尿の回数が増えたりします。朝、下着に少量のウミがつくことも多く、症状が長く続くため、ノイローゼになる人も多い病気です。あせらないで治療する必要があります。
咳やクシャミをしたときに漏れる腹圧性尿失禁と尿意を感じたときに我慢できずに漏れる切迫性尿失禁が代表的なものです。これら二つが合わさった混合型もあります。女性の尿失禁は大半が腹圧性尿失禁と考えてよいでしょう。
骨盤底筋体操や薬物治療でかなりの効果が期待できますが、最近ではTVT手術といってポリプロピレン製のテープを下腹部に通して尿道を支えることで尿の漏れを防ぐという手術が脚光を浴びています。2~3日の入院ですみ、手術時間は30分程度です。尿失禁は恥ずかしい病気ではありませんので、前向きに治療を受けてください。
脳血管障害、脊椎疾患(首や腰の病気)、糖尿病、パーキンソン病などの神経の病気により、排尿をコントロールする神経排尿反射回路のいずれかの部位が障害されることによって引き起こされる膀胱、尿道の働きの異常をいいます。直腸癌や子宮癌などの骨盤内手術の後や薬剤性のこともあります。
たとえば脳梗塞によって、尿意とは関係なく、無意識のうちに尿を漏らしたり、逆に尿が出にくくなることもあります。このように同じ病気でも病期により、症状が異なることもあるので、専門医の診察を受けたほうがよいでしょう。
日本では40歳以上の12.4%、800万人以上の患者さんがいると言われています。以前から悩んでいる人は多かったのですが、近年ようやく広く一般に認知されてきた病気です。
尿を貯める膀胱の機能障害で、頻尿と夜間頻尿を伴う尿意切迫感が特徴です。1日8回以上の排尿回数や週1回以上の尿意切迫感のある人は専門医の診察を受けることをお勧めします。最近この分野の優れた新薬が開発され、生活の質の向上に貢献しています。
睾丸のすぐ上についている副睾丸が細菌の感染で腫れてきて、激しい痛みがあり、39度位の高熱が出ることも珍しくありません。抗生物質の内服や点滴が必要です。最近はクラミジア性尿道炎が重症化して副睾丸炎になるケースが増えています。
睾丸の痛みがなく、腫れてくるのが特徴で、痛むことの多い副睾丸炎と決定的に違います。悪性のものも多いので、早期診断、早期治療が必要です。
日本人の70%は包茎と言われています。その大部分は包皮が少し長いだけで、手でむいてやれば、容易に亀頭を露出することができる仮性包茎です。勃起すると自然に亀頭部が露出し、痛みもなく、内部を清潔に保てるようであれば、早急な手術は必要ないと思います。
しかし包皮で覆われた亀頭の回りは恥垢という垢(たんぱく質、微生物にとっては栄養分)がたまりやすく、尿のシズクによる湿り気、体温という適度な温度とあいまって微生物にとって最高の生活環境となります。つまり亀頭包皮炎(細菌性、真菌性、混合性)を引き起こしやすくなり、赤く腫れて、むずがゆく、時にウミが出るようになります。
また包皮が病原体を包み込んでしまうために、最近激増している尖圭コンジローマや性器ヘルペスさらには淋病やクラミジア性尿道炎にかかるリスクが格段に高くなります。包茎は美容的な面を割り引いても、百害あって一利なしなのです。平常時に亀頭を露出させてもすぐに戻ってしまい、自分の陰毛を巻き込んでしまうようなら、治療経験の多い専門医に相談したほうがよいでしょう。
包皮の口が狭くて亀頭を露出できない状態の包茎を真性包茎といいます。勃起時に皮が突っ張って痛くて仕方ないということになります。また中を洗えないので、包皮の内側に雑菌や恥垢がたまってしまい、泌尿器系の病気の原因になったりします。
若いころ仮性包茎であったものが亀頭包皮炎を繰り返したために、包皮が二次的に硬くなり、性行為もしなくなって70歳くらいで真性包茎になることもあります。恥垢は陰茎癌の原因になり、このようなケースで陰茎癌を2例発見した経験があります。できるだけ早く、手術をすることが肝心です。真性包茎は健康保険が適用されます。
真性包茎の人よりは包皮の口が開いているので、多少は亀頭を露出することができますが、包皮口の径が亀頭部分よりも狭いので、無理に広げようとすると痛みを感じます。ところが、激しいスポーツをやっているときなど、何かの拍子に包皮が翻って亀頭が飛び出してしまうことがあります。
こうなると、冠状溝あたりで引っ掛かった包皮は元にも戻らず、輪ゴムできつく巻いたようにペニスの首を締め付けてしまいます。そのままの状態で放っておくと、血が通わなくなって壊死を起こし、生殖機能さえも奪われてしまう結果になりかねません。大事に至る前に、すぐに手術をする必要があります。
夜尿症(オネショ)は6歳で15~20%、10歳で5%、15歳で1%と言われ、尿をコントロールする中枢神経系(大脳‐脳幹)の発達遅延が主な原因です。二分脊椎や神経因性膀胱などの器質的疾患を除外した上で、生活習慣の指導や薬物治療で大部分は治癒します。治療効果が不十分なら抗利尿ホルモン療法やアラーム療法を併用します。とにかく、あせらず、しからず、起こさずが基本の対応のしかたです。
睾丸は生まれたときには陰嚢の中に降りているのが普通ですが、腹部やソケイ部で下降が停止している状態が停留睾丸です。生まれてからの下降はあまり期待できないので、精子を作る機能を守る意味から、3~4歳までに睾丸を固定する手術が必要です。
外国ではユダヤ教徒や、回教徒の国で,宗教的な理由で、生後何日目かに包皮を切除する風習があります。日本ではそのような習慣はありませんので、亀頭と包皮が癒着していてその結果、大人の包茎でも述べたような亀頭包皮炎をよく起こします。包皮炎を繰り返し起こすようなら、包皮の癒着をはがして垢がたまらないように清潔にする習慣を身につけさせるほうがよいと思います。
こんなこと聞いてみたい。自分と同じ悩みを持っている人はいるのかな?
そんなことを考えている方必見です。よくある症状についてあげてみました。